Floating in Europe

ヨーロッパで言語学を学んでいる学生の日々です

日本語って面白い!

こんにちは。日本では暑い日々が続いているみたいですが、いかがお過ごしですか?私は夏休みをゆっくり過ごしています。時間があるので興味のある論文や記事を読んでみたり動画を見たりしています。私は大学でヨーロッパの言語と政治を専攻しているのですが、根本的にはヨーロッパ言語に関わらず言語学にはとても興味があります。特に母語が日本語なので勉強したことはよく日本語や日本社会のことに置き換えて考えてみることがあります。今日は私が徒然と日本語について思うことを書いてみたいなと思います。

 

 

日本語って本当に面白い!

皆さんはどのようなイメージを日本語に対して持っていらっしゃるでしょうか?よく聞く話として日本語は海外の人にとってマスターしにくい言語というのがあると思います。これは日本語を勉強する人の第一言語によるので一概には言えないのですが、(韓国語や中国語を話す方は他の言語を話す方と比べて比較的日本語をマスターしやすいというのはよく言われますし、想像もつきやすいと思われます。)日本語は「ん」を除いては必ず子音が二つ続くことがなく必ず子音と母音の組み合わせで成り立っているので、発音はしやすいと言われています。なので、日本語が難しいといっても話すだけであれば想像よりかは簡単みたいです。これが日本語特有のリズム感があまりないのっぺりとした(悪い意味ではなく)フローを作っているのでしょうね。

 

では、日本語はなぜ難しいとよく言われるのか。この理由の一番はやはり漢字ではないでしょうか。さらに言えばアルファベットのような音に基づいた文字であるひらがなとカタカナ、そして意味に基づいた文字である漢字を組み合わせているところにある気がします。世界的にみても、2つの違うシステム、3つの種類を駆使して書く日本語は珍しい言語だと言えると思います。このシステムに戸惑う人は多いみたいですよね。稀に音に基づいた文字は意味に基づいた文字よりもシンプルで書き方として発展しているといった意見が聞かれますが、私はそれぞれの特色だと捉えています。

さて、漢字を勉強する際には私たちは音だけではなく視覚的にも覚えているみたいで、漢字を視覚的に捉えることが漢字を覚えることにとっては大事みたいです。私たちも漢字をイラストとして捉え、アーティスティックに表現することもありますし、字面という言葉があるように文字の見た目を気にしたりすることも多いですよね。先日たまたま見たYouTubeで聞いて興味深かったのは、日本のアーティストは自分の名前の表記に拘ることが海外のアーティストよりも多いのはなぜかという話でした。確かに日本のアーティストでアルファベットを使っている方も、大文字、小文字、特殊文字など細かく指定していますよね。その方は日本が古来から漢字を使いその文字の持つ意味や視覚的情報を大事にしてきたからではないかと推察されていましたが、その傾向は言語学の観点から見ても、あるのではないかなと思い色々考えてしまいました。言語はやはり常に使っているものなので、ふとしたことから自分の勉強につなげて考えることが休み中でもよくあります。

 

 

長々と書いてしまいましたが、私が取っている大学の授業ではこのようなことも勉強したりしています。言語自体の勉強である構造言語学と言語と社会の関わりを勉強する社会言語学もありますが、言語と脳とのつながりを勉強する授業もあり、言語学と一口に言っても本当に色々な分野があるなと日々実感しています。ちなみに次のブロックでは言語習得についての授業はあります。次のブロックについてのこともまた書こうと思います。ではまた!

 

 

引用した論文とYouTubeはこちらから

Koyama, S., Hansen, P., & Stein, J. (2008). Logographic Kanji versus Phonographic Kana in Literacy Acquisition. Annals of the New York Academy of Science, 1145 (1), 41-55. 

https://www.youtube.com/watch?v=zcnTwNA2B3g