Floating in Europe

ヨーロッパで言語学を学んでいる学生の日々です

オランダとオランダ語

こんにちは。夏も真っ盛りというところでしょうか?九州では豪雨被害がひどく心配しています。北海道出身の私ですが、オランダでは湿度が低いため北海道よりも涼しく過ごしやすいです。たまに東京の天気予報を見ていると、30度越えの気温で大変だなと思ってしまします。たぶんオランダに慣れてしまった私は北海道でも暑く感じるのでは?と思ったりもします笑。私もこちらに引っ越して来てほぼ1年が経とうとしているので良い機会かなと思い、今日は少しオランダに住むこととオランダ語についてお話ししてみようと思います。

 

 

オランダ語の必要性

お恥ずかしい話ではあるのですが、私はオランダに住んで1年経っても、オランダ語はほとんどできません。一応ドイツ語ができるので一部推測できたり、理解できたりはするのですが積極的な努力をしてこなかったので全くといって話せないのが今の素直な現状です。これはオランダに来る外国人の学生がよく陥るパターンかなと思います。実際4ー5年住んでいてもできない人もたくさんいます。もちろんこれは学生に限った話で、正規でオランダで働く場合は最低限のオランダ語能力が求められます。私も留学した当初から自分が英語だけで生活ができてしまうことは容易に想像がついていたので、オランダ語を習得したいならば生活からではなく、授業を受けなければと思っていました。実際大学のオランダ語の講座を探したりと動いてはいたのですが結局やらないまま1年が経ってしまいました。やらなかった理由は前回の記事にもあった通り大学の勉強で生活をいっぱいいっぱいにしてしまったということです。本当に時間の余裕を作り出せませんでした。もちろん言い訳に過ぎないのですが笑。

それでも、これからでも絶対に積極的な努力をしたいなと思うのには私なりの理由があります。オランダに住んでいてオランダ語習得の努力をしないのはとても甘えている気がしてならないからです。(これはオランダ語できない他の人に対しても思っているわけでも批判しているわけでもなく、ただ自分に対しての話です。)というのも日本に生まれ育って思うのは、例えば自分が外国人として日本に来て、例え大学が全て英語でも、日本語なしで1年良い生活のクオリティーで暮らして行けないだろうなと思いますが、オランダで私はそれができました。それはオランダ人の英語力と外国人への対応が良いだけで、英語ベースの国ではもちろんないのに、です。向こうのその努力に甘えているのが今の私の現状でそれはとても怠惰なことな気がするので、大学を続けていく上で住み続けたいと思う以上それに甘え続けたくないなと思っています。

他の学生に聞いても2年目には1年目よりも時間を作りやすい上にまだ3年生よりも、インターンやマスター(修士)の準備に追われないので始めるなら次のセメスターあたりからしかないかなと思います。今の時間があるときに次のセメスターからどうするかいろいろ考えてもう準備も始めているので、決まってきたらここでもお話ししたいなと思います。

 

 

 

時間があるので、日本の友達とも話しているのですが日本の大学はコロナの影響で4月から予定通り始められていないところが多く、夏休みが短くなった上に成績をつけるための課題も増えているみたいで大変そうでした。その分私の通っているライデン大学は1週間の遅れしか出なかったので、オランダの中では遅い!と批判されている部分があっても十分良い対応をしたんだなと今更感じています。ではまた!!

1年生最終試験の結果

こんにちは。今学期のテスト結果も全て出て私的にはここからは本格的に気分も夏休み!という感じになってきました。実はテスト結果が出揃うまでは不安で仕方がなかったのでようやくホッと一息つけました。今日は最終試験の結果についてお話ししたいと思います。

 

試験結果

今学期私が取っていたクラスはヨーロッパの近代史、ヨーロッパの文化言語、政治学、政治経済学、そして中級ドイツ語です。それぞれの授業についてはこちらに書いていますのでよろしければ読んでみてください!

 

netherlands-university.hatenablog.jp

 

とりあえず最終試験の結果はこんな感じです。

ヨーロッパ近代史 --> 7.7/10

ヨーロッパの文化と言語 --> 9/10

政治学 --> 6.8/10

政治経済学 --> 8.5/10

中級ドイツ語 -->9.5/10

概ね満足できる結果かなと思っています。やはり好きだった教科の点数は伸びた印象ですが、政治学だけは思っていたよりも低いスコアで少しびっくりしました。政治学の採点の詳細やフィードバックを見たのですが、質問の意図を汲み取りきれていなかったり(というか一部は質問と模範解答が呼応していないような気がしてしまいましたが)していました。特に今回は全てのテストで教科書や資料を見てもいいテストだっため、選択問題は全て無くなり記述問題だけだったのでより、こういう部分で点数が落ちてしまったのかなと振り返ってみて思っています。

私は高校卒業後すぐにライデン大学に入学したので、やはり英語だったり受けてきた教育の差、特にディスカッションやプレゼンの経験の無さを感じることが多くありましたが、その中で単位を全て取れたことはとても嬉しく思います。もちろんその分セメスター中は勉強ばかりで生活とのバランスが取れていなかったところも多々あるので、これからの課題は生活も充実させることかなと思っています。お箏のワークショップも1年で1回しかできなかったので(しかもオンライン)、来年度はもっとできたらなと思ったりしています。

 

 

夏休みに入り時間ができたため、日本語の本を読み返したり縫い物をしたりしています。昨日まで「真夜中のパン屋さん」シリーズ6巻を一気読みしていました笑。来月の中旬には次のセメスターの講義の登録(ハンガーゲーム)があるので、講義の開講予定が発表されたら、スケジュールを立てようと思っています。ハンガーゲームについてはこの記事に少し書いてあります。

 

netherlands-university.hatenablog.jp

 

ではまた!

 

アサイメントの結果 その2

こんにちは。日に日に夏らしくなってきていますね。雨の日がとても多いことで有名なオランダでも晴れて暑い日が続いていています。私の部屋は午後から日光が入るので毎日部屋が暑くなります笑。今日は前回の記事に続いて後期にあったエッセイのアサイメントの結果についてお話ししたいと思います。前回の記事はこちらからどうぞ。

 

netherlands-university.hatenablog.jp

 

 

3本のエッセイ

私は後期大きなエッセイの課題が3つありました。他に200ワードほどの課題やプレゼンは後期の途中にあったのですが、エッセイの課題はすべての授業が終わってからテストの前までの期間に集中していました。ということでテスト前はテスト勉強と同時にこのエッセイを全て書き上げなくてはならず、5月上旬から半ばまではかなり忙しい日々でした。

 

ヨーロッパの文化と言語の授業でのエッセイ

さて前回2つのエッセイについてお話ししたので、今日お話しするのがラストのエッセイです。ちなみにこのテーマが1番好きで1番力を入れて書いたエッセイでもありました。テーマはヨーロッパ文化、もしくは言語に関する事象を1つ選びそれを分析するというものでした。この事象は例えば、ポスター(選挙ポスターも含む)やあるエリアの看板の言語分布、風刺画、国歌や詩の一説などなどヨーロッパに関することであればほぼほぼ何でもありでした。私が選んだのはprotect the European Unionというプロジェクトのポスターの言語分析でした。このプロジェクト自体についてはこちらにリンクを貼っておきますが、概要は2017年にあったオランダ、ドイツ、フランスの選挙においてEUを応援する候補者を!というプロモーションで、EU公用語23カ国語のバージョンで作られたものです。(ちなみに公用語は全部で24カ国語ですが、アイルランド語だけは抜けていました。これはアイルランドでは英語がメインであり、たとえ公用語でも広く使われていなかったためと思われます。)

https://tillmans.co.uk/protect-the-eu

私は主に各言語への翻訳の正確さと違いがどのように読み手に影響するのか、そしてこのようなポスターがどのようにヨーロッパ共通のアイデンティティの形成に役立つのかについて分析しました。例えば、翻訳ではある言語では「ヨーロッパの国々がともに動けば乗り越えられる」と書いてあるところ、他の言語では「人々がともに動けば乗り越えられる」と書かれていました。この「人々」ではヨーロッパの人々とは限らないので、ヨーロッパ共通のアイデンティティの形成には不十分であり、どの言語で読むかによってこの共通のアイデンティティ形成の効果が違ってくるというような分析をしました。個人的にはこの分析はとても楽しくエッセイもかなり満足のいく出来となりました。そして評価も8.1/10と他の2つのエッセイと比べて良い評価をもらいました。分析単体だけでいえば9/10をもらったのですが、結論が弱かったため8.1/10となりました。でも分析で9をもらえたのはとても嬉しかったですし自信につながりました。今後の大学での専攻もこの辺りの分野ができたらなと今から思っています。

 

 

デン・ハーグでは先日オランダ政府のコロナ対策批判のデモが一部で過激になり、警察が介入するまでの騒ぎになっていました。ニュース記事はこちらから

https://www.euronews.com/2020/06/21/dutch-police-use-water-cannon-to-disperse-the-hague-protest

https://www.nytimes.com/aponline/2020/06/21/world/europe/ap-eu-netherlands-protest-.html

規制もだんだん解除されてきている中人々の不満も一部では広がっているみたいです。ではまた!

アサイメントの結果 その1

こんにちは。後期が終わってちょっとダラダラ気味の生活をしてしまっています。でもたまに友達と電話したり、久しぶりにゆっくり日本語の本を読むのも楽しんでいます。後期の最終試験の結果の前にテスト前までに提出しなければならなかったエッセイの成績とフィードバックが全て返ってきたので今日は課題の内容とその結果についてお話ししてみたいなと思います。

 

3本のエッセイ

私は後期大きなエッセイの課題が3つありました。他に200ワードほどの課題やプレゼンは後期の途中にあったのですが、エッセイの課題は全ての授業が終わってからテストの前までの期間に集中していました。ということでテスト前はテスト勉強と同時にこのエッセイを全て書き上げなくてはならず5月上旬から半ばまではかなり忙しい日々でした。

政治学のエッセイ

政治学では自分が好きな国を1つ選び、その国がどのように平等と自由でバランスをとっているのか?という課題でした。自分で2つケーススタディを選びそれに基づいて結論を出せば良かったので、同じ国でも選んだケーススタディが違えば、全く違う結論が出るようなシステムでした。なので、正解を見つけるというよりは、どのように分析して結論を出すのか、ということに重きが置かれた課題でした。私はドイツを選び、2015年から2016年にあった「難民危機」の際にドイツがとったwelcome policyとそれに対する右翼団体のデモをケーススタディとしました。これは字数制限の中で2つのケーススタディを説明してさらに、それを論じて結論を出すということにとても苦労した課題でした。どうしても字数制限以上書いてしまってどこを削れば?と悩みました。結果は7/10でした。一応5.5以上でパスなので合格はしたのですがザ・平均、可もなく不可もなくという感じです。ただチューターがとても細かくフィードバックを書いてくださって、自分の提出したものが妥当な評価を受けたんだなと感じられました。

 

ヨーロッパ近代史の文献分析

この課題は過去の著名な歴史的文献を分析するというものでした。4つの文献から選べたのですが私はプレゼンでもやったジョンメイナードケインズの「平和の経済的帰結」を分析しました。プレゼンの際の記事はこちらから読んでみてください。

 

netherlands-university.hatenablog.jp

 この結果も政治学と同様に7/10でした。この課題で難しく感じたのは歴史をどのように切り取るか、そして事実と自分の分析をどのように分けるかでした。この文献が発表されたのは1919年ですが、これは第1次世界大戦とその後のヴェルサイユ会議に関連して書かれたものです。そして私の分析はこのケインズによるヴェルサイユ条約がもたらすドイツへの被害の予想がどの程度正しかったのか、そしてその予想はその時代においてどの程度重要だったかというところにポイントをおいたので、ある程度1919年以降のドイツにも注目しなければなりませんでした。しかし、歴史が全てつながっているのでどのように切りとるかはとても悩みました。結局第1次世界大戦よりもヴェルサイユ条約から注目し、1924年にドーズ案によるドイツへの賠償金支払いの見直しが決まるまでをエッセイの中では切り取りました。それがヴェルサイユ条約が機能を果たしきれず見直しが必要になったタイミングと捉えたからです。同じように困ったのが事実の説明と自分の分析をどのように分けるかです。事実の上に自分の分析を組み立てるので、もちろん事実の説明は必要なのですが、分析がメインなので、事実を羅列し過ぎないようにするのに苦労しました。この課題にはとても時間がかかった上に3つのエッセイの中で一番悩んだのですが、とりあえず7が取れ満足しています。

 

 

 

長くなってしまったので、次の記事でもう1つの書いたエッセイについてお話ししたいと思います。その記事も読んでいただけると幸いです。日本でもヨーロッパでもコロナ対策の規制が解除されてきていますが、まだまだ気をつけなければと思っています。ではまた!!

 

3ヶ月のオンライン授業を終えて

こんにちは。最近は天気の変化が激しく長袖とTシャツをいったり来たりしています。早く本格的な夏が始まって欲しいものです。先日大学から公式にメールがきて、来学期(9月から1月末まで)もオンライン授業になることが決まりました。もしかしたら大学でチュートリアルを再開できるかもしれないらしいですが、母国に帰ってしまった学生も多いので、来学期いっぱいオランダにいなくても授業は問題なく受けられるようになり、もしオランダにいる場合は少しくらいは大学に行ける機会が増えるかもしれないということみたいです。そんなこともあり今日はオンライン授業についてお話してみたいと思います。

 

オンライン授業

さて、私は3月の半ばから授業、チュートリアル(小グループでの活動)、最終試験すべてがオンラインに置き換わりました。各授業とチュートリアルでの対応はこちらに

 

netherlands-university.hatenablog.jp

 そして最終試験については

 

netherlands-university.hatenablog.jp

 こちらに書いてありますのでよろしければ読んでみてください。レクチャーはほとんどが録画(もしくは録音のみ)になり、チュートリアルも半分ほどは課題だけに置き換わり、実質的な授業が少なくなってしまいました。ここでは私個人が感じたオンライン授業の難しさについてお話ししたいと思います。

まず初めに言えることは、全ての人が不慣れだったということです。教授方も後期の途中から急な対応に追われ、慣れていないオンライン授業に手探り状態なのが学生にも手に取るようにわかりました。もちろんこれは教授方が悪いわけではないのですが、録音だけのレクチャーは録画のレクチャーよりも理解するのが難しく感じられ、視線が彷徨っている教授の話はどうしても惹きつけられる力が普段のレクチャーよりも弱くなってしまっているような気がしました。もちろん録音録画の場合はいつでも一時停止をし、再生し直すことができるので、そこはメリットかと思いますが。学生側も、この形態に慣れていないため、特に小グループの活動では発言する人が固定されてしまい、普段のチュートリアルからあまり発言しない学生はオンラインになったことで余計に発言がしづらくなったのではないかと思います。私も発言のタイミングをはかるのにとても苦労しました。

次に1コマの時間制限が厳しくなくなったことで、教授はどんどん長い録音録画をするようになり、学生も一時停止をしたり、巻き戻したりすることで、時間がかかるようになったように思います。これはテスト開始時間から24時間以内に提出しなければならなかったテストにも言えることですが、はっきりとしたタイムラインがないことで、効率良く物事を進めるよりも、時間をかけて慎重になったり確認するようにすることが増えてしまうと思います。もちろん学生によって個人差はあると思いますが、私の勉強時間は大学に通っていた時も長くなったと思います。ただそれは効率が悪くなったために起こったことだと思っているので、意識的に時間制限を自分で設けて、それを必ず守っていくことが大切なのではないかなと思います。

最後に一番残念だと思っているポイントは、オンラインに置き換わり、大学に通っているという感覚をなくしてしまったということではないかと思います。個人的には、大学生だという感覚を失いました。特に私はオランダには大学に通うために来ているので、そもそもオランダに暮らす理由すら失いかけている気分です。現実味がないまま3ヶ月過ぎてしまったのがもったいなく思うと同時に、次のセメスターもこのように過ぎてしまうのが恐怖です。もちろん次のセメスターは始めからオンラインが決まっているので、教授側も学生側も想定ができている上に準備もオンラインのための準備になるので、クオリティーは確実に良くなるのではないかと予想はしていますが。

 

 

 

 

先日ようやくマスクをゲットしました。10枚で9ユーロとようやく普通の価格で売っているのを見かけたので良かったです。たまに2枚で10ユーロなどというものも売っているので笑。これでいつでも何かあれば公共交通機関を使えます。しばらくは使う予定もないですが。というのもこの状況になる前から、自転車で移動することがほとんどだったので、公共交通機関デン・ハーグ内の移動で使うことはほぼなかったです。ではまた!